小売店の中には粗利益が5%で、爪の先に灯を燈すように商売をしている店がある。
特殊な商品を扱う小売店でなければ、一般的には15%〜20%の粗利益だろう。
無駄な経費などなく、必要な費用ですら節約を図って利益を確保しているのが実態である。
こうした小売店経営者の血が滲む努力や心情を逆撫でする不埒な万引きが後を絶たない。
愛媛県の衣料品店で少年2人が地下足袋4足を万引きし軽自動車で逃走しようとした。 店主は万引きに気付いて追いかけ、停車した自動車の窓から少年にしがみついたところ、少年は店主を引きずったまま自動車を走らせ、電柱に激突して店主を死亡させた。 地下足袋4足が店主の命と相殺されてしまった。
横浜の書店で万引きした少年を店主が捕捉して改悛を促したが、態度が改まらないので警察を呼んだ。
少年は警察が補導しようとした間に逃走し、遮断機が下りた踏切に突入して電車に跳ねられ死亡した。
この件で、各地から店主宛に批判や抗議が続き、「人殺し」と呼ばれ続けた店主は店舗を廃業した。
特殊な事例ではなく、こうした無思慮な万引きによって商売を断念した小売店は少なくない。
本来、刑法犯罪に当たる窃盗罪が「万引き」という表現に歪曲されたことで罪の意識を軽減している。
金がないから万引きに手を染めるという事例は少なく、愉快的であったり換金目的であることが多い。
昔、質屋と呼ばれた商売が、現代ではリサイクル業と言い換えられて、巷には様々な商品を売り買いする店が出来てきた。 こうしたリサイクル店が増えたことで万引きが増加した背景がある。
書籍リサイクル店には万引きされた高額買取の未開封写真集や話題のコミック本が多く持ち込まれる。
またインターネットオークションに掛けられる盗品のブランド商品が増えている。
換金をする場がどんどん増えたことが万引きを助長している原因でもある。
「額に汗して稼いだ金が尊い」という真理を熱心に説いても説得力がない寂しい時代なのかもしれない。
若者達が「ウザイ」「カッタルイ」と言って、労せずに金を手にする手段として万引きに手を染めている。
小売店経営者は人の良心を頼りにして商売をする時代は「昭和」で終わったと自覚して頂きたい。
自分の店の利益が流出しないように、最低限の対策を講じなくてはならない。
店舗に死角を作らない設営や店内外の整理整頓に努め、声と笑顔が耐えない店作りが重要である。
こうした手段を講じて抑止できない商品ロスが発生した場合にセキュリティ機器を導入するのである。 |